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不適切なブログ

[2024.03.25]

タイムスリップした主人公が、昔の価値観で今の時代に刺激を与える番組が人気です。およそ医師のブログには似合わないのは承知で「不適切にもほどがある」ある歌をテーマにします。

死ね死ね団のテーマ

書くと削除されそうな言葉と印象的で(CMにも使われそうな)キャッチ―なリズムです。今では信じられませんが、70年代の子供番組の後テーマ曲として使われていました。毎週金曜夜の7時55分頃こんな歌がテレビから流れていたのです。
キワモノといってはそれまでですが、どうしてこんな歌が作られ、しかも子供向けの番組で流されていたのか?少し調べてみました。
作詞家は大正8年生まれで、徴兵されて戦地を経験、戦後は脚本家や作詞家として活躍された方だそうです。過激な歌詞ですが、戦争経験がキーになるように思えます。この番組のヒーローは愛と正義のために戦います。オープニングテーマでは肌の色では違いはない、などとうたわれています。

おそらく、戦争を経験した作詞家は「愛と正義」のうさん臭さを知っていたのではないでしょうか?そのうえで(さすがに当時からも)不適切と言われるのは承知の上で、テレビの前の子供たちを信じて、日本語で日本人を罵倒するこんな「ファンキーな歌」を作ったのではないかと思えます。単なる自己否定や卑下ではなく、意識や表現はどこまでも自由であることを子供に伝えたかったのではなのか?歌詞と対照的な明るい曲からもそう受け取れます。

「愛と正義」は、50年たった今の時代でも世界中で叫ばれていて、かつその「うさん臭さ」もいまだに漂いつづけています。

この唄は当時の番組や主題歌と合わせて考えた時に「普遍的価値」をもったものになりえるのではないでしょうか?子供向けのお遊びソングではなく、歌詞は過激でも(差別的な身分を歌にした)ラップやヒップホップにつながるカルチャーを感じます。

「不適切が消される」今の時代、こうした受け取る人にゆだねる(背景性を読み解くことを受け手に任せる)歌はどんどんマスメディアからもれ、ネットでより「過激」になりっていくように思えてなりません。

 

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