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「ワクチンは専門医にご相談ください」の違和感

[2022.10.21]

帯状疱疹ワクチンのテレビCMを目にするようになりました。「詳しくは専門医にご相談ください」と言ってCMは終わるのですが、果たしてワクチンの専門医っているのでしょうか?何科にかかればいいのでしょうか?

ワクチンを専門とする医師は「います」。しかし彼らは感染症や免疫・アレルギー・呼吸器等の専門医でもあり、医師が専門用語を用いて相談や議論をする相手です。一般の方が診察を受ける外来で「ワクチン専門医」と名乗ることはなく、外来として「ワクチン科」を見かけない理由もそこにあります。

患者さんがかかっている医師が「専門医」であれば、その先生に尋ねるの意味?例えば消化器の専門医に帯状疱疹ワクチンを尋ねることは普通に考えても不自然だと思います。あのフレーズでは誰に聞いていいのかわからないと思えます。

ワクチンで相談する相手は「家庭医」です。家庭医研修ではワクチンの適応などについても一通り学びます。例えばグラクソ社のシングリックス🄬(新型帯状疱疹ワクチン)は不活化ワクチンなので、抗がん剤治療中やステロイド服用中でも接種できますが、BIKEN社の水痘ワクチンは生ワクチンなので、免疫抑制状態の方は発症してしまうリスクがあります。他のワクチンとの接種間隔も違い、有効性や料金にも大きな差があります。

あのCM、本当は「お近くの家庭医にご相談ください」というべき、そう思います。

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