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かかりつけ医登録制を開始する時期

[2022.07.29]

「電話が話し中でさ、先生たちも忙しいんだろうなって、申し訳ないねぇ」当院かかりつけの方ですが、肝心の感染時に当院に電話がつながらず、他院で診断され、隔離解除後の定期受診で話していただいた言葉です。

反面、別な人ですが、一番電話が混雑している時間帯で、電話クレームを受けました。当院にかかったことがない(と思われる)方からで、無症状で検査をしてもらえないことは「けしからん」との内容でした。(グーグルに書き込みがあります)。30分以上回線を独占され、この間当院には誰も電話できなかったことになります。

当院では通常診療に加え、小児への対応、ワクチンも早期から対応し、発熱患者さんも断らずに受けています。スタッフにも欠員が生じオペレーションでも人不足となっていますが、地域医療を守るポリシーのもと院長・事務長はじめ、スタッフ一丸となって、互いにカバーしあってなんとか外来を続けています。

今回の患者さんからの一言で、非常事態時に、当院の目指すべき方向が決まりました。

「顔の見える方・普段からかかっている人」を断ることはしたくない。院長としては、この想いが最優先なのだ。そう実感できました。そうした人は、こちらの診療内容もわかって、電話がつながらない、受診ができなくとも、当院に非があるとは決しておっしゃいませんし、私も、そうした方を断ること・繋がらない状態にはしたくない、最優先で診察したいと思います。スタッフも断ることのほうが大変なのです、かかったことのない方にすら文句を言われながら、置いたらすぐ鳴り続ける電話を受けること、断って嫌味を言われ、それでも電話を取らなければならない事が、どれほどストレスか、月に1回、定期的に来て私たちがどのように働いているかをわかっている方には、そうした言葉も共有できます。

かかりつけ優先の電話番号などを決めればいいのでしょうが、何をかかりつけとするかの公的な定義がない以上、公開番号と同じになってしまいます。地域を制限するのも一つの方法ですが、近隣であっても「二度とかかりたくない」と言う方いますので、そうした方は他院の診療を受けられた方がいいでしょう。地域を絞った場合でも医療機関の選択権は患者さん側が持つことになります。

あくまで非常事態の話であり、通常状況では他市や地域外の方もお受けします。しかし、第8波、第9波は必ず来ます。次回以降、電話が鳴りやまないような感染爆発状態が起きた場合は、地域制限、年齢制限、診察券の有無で受診者数を制限することを考えています。診療の最大容量が決まっている以上、当院での優先順位を決めようと思います。それを超える人が来た場合は、その地域なり、他院にお任せしなければなりません。これは、無責任ではなく、より、地域やかかりつけに対して「責任を持つ」診療だと考えます。そんな決心をするに足る出来事でした。

また、これを機に、「かかりつけ医の登録制度」について議論が進むことを強く希望します。全国で起きている問題、特に都市部で顕著な問題でしょう。コロナが突きつけた待ったなしの課題です。

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