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かかりつけ医がワクチンを扱うメリット

[2021.02.11]

新型コロナワクチン、医療者優先とのことですが、今日現在でも公的機関からの情報提供はまだありません。おそらく国・県レベルの調整が大変なのだろうと想像します。

どのような接種方法になるか未定ですが、かかりつけ医がワクチンを行うメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

〇患者さんに応じたこまかい対応、指示ができる

 数人の方ですが、強いアレルギー体質をお持ちの方がおられます。そうした方には、安全性の点からも「病院での接種」をお勧めしています。酸素投与や呼吸器装着といった「救命処置」はクリニックでは不可能です。半面、若い人と暮らしている高齢者や重篤な基礎疾患のある若い人など、病状や生活に応じて接種優先順位を判定できます。(変更できるかどうかは未定)

〇接種までの動線が短い

 高齢者は長距離を移動することが難しく、近くの医療機関で接種できることは大きなメリットでしょう。

デメリット

〇急変時の緊急対応が困難

〇短時間で多人数は困難

安全性を優先と考えれば、人的、装置資源の多い病院近くでの接種が望ましいでしょうが、それでは接種は広まりません。また、ほとんどの人には重篤な副反応は報告されていません。

高齢者では、普通に待合室で待っている間に心臓発作を起こす、最悪死に至るといったことも起きえます。こうしたことが「ワクチンの接種直後」にも重なって起きえます。千万人単位のワクチン接種であれば、統計的には、いつか、どこかのクリニックで必ずおきてしまう出来事です。万一、そこに当たった医師は大変だとしか言えませんが、医療機関で発作が起きれば(家や街中での発症とくらべ)直ちに救命処置が(素人ではない)医療者により始められたとも考えられます。

コロナで救急病院はとても大変な状況だと思いますし、インフルエンザなど通常ワクチンでも実は同じリスク状況です。しかし、新型ワクチンの大規模接種事業となるため、安全面ではより確度をあげる必要があるでしょう。クリニックでの接種が可能になった際には、せめて、クリニックからの救急車受け入れの順位を上げるといった対策とペアで行ってもらえないだろうか?リスクのある患者さんを受けるクリニックとして、そう思います。

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