リンさんの無罪判決と「異次元の少子化対策」
[2023.03.25]
ブログで以前取り上げた、ベトナム人の女性技能実習生が双子を死産し、自宅で安置していたところ「死体遺棄罪」として罪に問われていた事件。最高裁で無罪が確定しました。
熊本の慈恵病院の院長先生が取材を受けて答えていますが、「(何が罪になるのかといった)孤立出産のガイドライン作成」「出産への支援があることの十分な告知」などを挙げています。司法は時々医療裁判でもとんでもない判断をすることがありますが、孤立出産については高度の医学的専門性は必要なく、一般的な国民感情と罪の成立要件で判断されるべきでしょう。日本での孤立出産が「罪に問われる」事態にならずによかったと感じます。
「異次元の少子化対策」がキーワードのようです。異次元というのなら、生まれた子供のみならず、安心して子供が産める妊婦さんの権利や医療についても目配りが必要でしょう。今回の判例を機に、健診を受け(られ)ない妊婦さんを無くすこと、孤立出産をゼロにすること、(親が無理な場合は)社会が子供の養育を助けていくこと。などが具体的に議論されることを強く願います。
リンさんの事件が問いかけること