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BCGワクチンは赤ちゃんの分しか作られていません

[2020.04.04]

結核のワクチンであるBCG(腕にハンコを押すあれです)が新型コロナに効果があるとの「仮説」が欧米の研究者から出されています。

日本はいまだ結核の「中蔓延国」のため、新生児が感染する可能性がわずかにあり、新生児へのBCGが義務付けられています。

しかし、すでに「低蔓延国」となった多くの先進国ではBCGは義務から外れています。

一方、新型コロナウイルスの感染に関しては、日本では、早くから国内感染者が見つかっているにもかかわらず、蔓延のスピードが低いことが注目されていました。これは、日本株によるBCGの「効果」ではないか?との仮説を立てた研究者がいます。免疫系の刺激であり、検証に値するかもしれませんが、未だ証明はなされていない仮説です。

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本題はここからです。

数日前「BCGを自費で打ってほしい」とクリニックに電話をいただきました。「ニューヨークでは日本株のBCGワクチンが効果がある、と評判だ」患者さんから教えていただきました。

前述の理屈は知っていたのですが、まだまだ仮説の段階であり、医学的に「効果がある」(安全性と有効性が高い)と証明されていません。このため、自費であっても投与することは勧められません。(こうした点が一般の商品と医学製品の違いでもあります)

また、BCGは数が求められるワクチンではないため、出生数から製品数が予想され、その分しか作られていません。今作られているBCGワクチンは、ほぼ「生まれてくる赤ちゃん」の分しかないのです。

日本ワクチン学会がBCGについて見解を出しています。「定期接種としての乳児へのBCG ワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない。」とあります。

このブログが当院にお問い合わせいただいた患者さんにも届くことを願います。

 

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