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解熱剤は若い人に譲ってください

[2021.06.21]

「ワクチン後に熱が出るといけないので、解熱剤をください」

ワイドショーの影響なのでしょうか?多くの方が、解熱剤の用意が必要で、かかりつけ医から処方を受けられるとの理解をされているようすを感じました。おかげで、街の薬局からは解熱剤が消え、忙しい現場にとんだ混乱をもたらしています。多くの方から診察室で聞かれていますが、2つの理由から、お渡ししていません

理由1:(現在接種中の)高齢者は必要ないと思われるため

副反応・発熱の場合

(図は朝日新聞より引用)

ファイザーワクチンの大規模データ資料です。2回目接種ですら、60歳代では2割程度(女性)の発熱でしかなく、翌日にはほとんど治ります。倦怠感は数日残るようですが、解熱剤などを使わなくとも自然に回復します

理由2:「予防のための薬」は保険が使えないため

「市販薬は売り切れ、調剤薬局にはあるのに、処方箋がないと出してくれない。だから解熱剤の処方箋を医者からもらわないとこまるんだ!」診察室で実際に言われた言葉です。

当院は保険診療ですが、その決まりで「予防薬」には保険を使ってはいけないとなっています(例えば登山での高山病の予防薬、酔い止め薬なども保険が効きません)

事前確率が非常に低い、「高齢者のワクチン接種後の発熱」に対しては、上記のような理由を説明し、処方ができないこと、必要のないことを理解してもらっています。

接種後に発熱が出た場合はまずはちゃんと体を休めてください。特に2回目接種の翌日は熱はでないものの倦怠感を感じますので、予定は入れないことをお勧めします。(倦怠感は解熱剤では治りません)また、体を休めても熱が続く場合には、受診をお願いします。症状がある治療にはちゃんと保険が使えます(発熱受診は事前連絡をお願いします)

むしろ、これから若い人の接種が始まっていきます。20代、30代に至っては2回目接種で半数は発熱をきたします。それまでに市販解熱剤の供給が回復していることを祈ります。

※追記:事前確率の非常に高い「抗がん剤の副作用予防薬」には保険が認められています。

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