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田中邦衛さんの訃報と「役割」について

[2021.04.04]

田中邦衛さんの訃報がでました。

「北の国から」の「五郎」も好きですが、山田洋二監督の「学校」での生徒「イノさん」が個人的に好きな役です。様々な事情をかかえて夜間中学に通う人の中で、田中邦衛さん演じる学生は卒業前に病気で亡くなってしまいますが、その死が、同級生たちにさまざまな問いかけを発し、「幸福とはなにか?」を教室で論じていく様子は圧巻ですらあります。人の存在とその意味が丁寧に描かれている大好きな作品です。

医療は「出来れば関わりたくない」関係の最たるものだと思います。レストランや遊園地のように「楽しみ」に来る場所ではありません。しかし、普段はその存在を意識しなくとも、いなくなって初めてその重要性に気づく。ひっそりと、しかし、地域での重要な役目を担っている。(比べるのもおこがましいのですが)田中邦衛さんが演じてきた配役のような、そんなクリニックでありたい。そう思います。

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※蛇足:映画は「イノさんの死」からストーリーが動き出します。ネタバレではありませんので、どうか安心してご覧ください。(サブスクで見られます)

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