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戦争経験者から直接話が聞けるのもあとわずか

[2022.08.15]

大学時代は柔道部だったNさん、90歳ですが、検診で尿糖陽性だったので、体重を絞って外来を受診されたとのこと。

「この年で、みなさんこんなことできませんよ。どうしてそこまでできるんですか?」

さすが根っからのスポーツマンは違うな!! 程度の軽い気持ちで聞いたところ

「(少し考えて・・・)いや、先生。『リンゴが食べたい』って言いながら療養所で死んでいった若い娘さんとか、落下傘で落ちる途中で、機銃掃射で穴だらけになって死んだ仲間を見てますからね・・・。まだ死ぬわけにはいかんのですよ。」

こちらの背筋が伸びるような経験でした。

新宿の大久保診療所時代の方ですので、10年前の会話です。当時、大学に行く人は今ほど多くありません。こんなインテリでも学徒出陣で過酷な経験をされてきたのか、普段は温厚なNさんの別なお顔を見たような経験として会話までよく覚えています。

太平洋戦争を直接経験された世代で、お話をきちんと伝えていただける方も少なくなりました。

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