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卒業式の光景にAIを思った事

[2019.03.13]

クリニックの目の前にある「富勢中学校」の卒業式でした。お昼時、校門前で卒業証書を手にした制服姿の生徒さんが先生や親御さん、友達と一緒に写真を撮っている姿を見ると、こちらも嬉しくなる光景でした。

AIが話題です。医師の臨床推論・診断能力は身体や病気についての知識が必須ですので、多くの「知識」を覚えなければなりません。しかし、知識量で言えばヒトはAIにはかなわず、おそらく数年以内に「AIはこう言ってるんだけど先生どう思う?」と診察室で患者さんから言われる時代が来ると思っています。

人間にしかできないこと。それは、目の前の「人」に対して、どんな感情でいるのか?どんな生活をしているのか?そうした「興味」をもって接することだと思います。AIが癌と診断すれば、多分それは「間違っていない」のでしょう。ですが、目の前で「おびえている」患者さんを「心配ないよ」と言ってあげること。それは、今日卒業した彼らが大人になる日でも(たぶん)人間にしかまだできない事でしょう。

友人に嫉妬し、失恋に泣き、試合に負けて悔し涙を流したのかもしれません。卒業で「さみしさ」と「期待」を体全体で感じている彼ら。その経験の果てにしかできないことがきっとある。まして「卒業」は、ディープラーニング(深層学習)でもきっと理解できない事だろうな?そんな「ややこしい」祝い方をした卒業風景でした。

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