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エッセンシャルワーカーを支える仕事

[2022.01.14]

音楽や絵画を「仕事」にされている方がいます。

コロナ禍で「仕事」が消滅し、また、自分の仕事が世の中に対して何の役に立っているのかわからない、外来でお話をお聞きした時にも非常に自信を無くされていました。同様の反応は震災の後などにも聞いたことがあります。

他方、エッセンシャルワーカーといわれる人がいます。我々医療業種のみならず、教員や保育、鉄道や配送、警察消防、ごみ収集業や上下水水道の管理など、社会が機能するために必要な仕事などと言われます。

では、このエッセンシャルワーカーがなんのために働いているか?「世の中のため」「社会の役に立つため」だけでは仕事は続きません。自分のために、いい音楽を聴く、楽しい映画を見る、美しい絵を鑑賞する、そうした「心の補充」をしなければ、厳しい仕事に立ち向かうことはできません。

医師である私は、「おかげで助かりました」といわれることはありますが「ああ、楽しかった」「またきますね」と言われることはありません。いわゆるエッセンシャルワーカーの職場はどこも似たようなものでしょう。そうした意味では、喜びを与えられる仕事はうらやましい、とすら思います。

生きていくうえで必要な「心の栄養」を補充してくれる「芸術」。それを仕事にされている方は、実は、エッセンシャルワーカー以上に「絶対に必要な役」「誰もができることではない貴重な役」なのだと思います。

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