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お正月の年賀状に感じた複雑な感覚

[2023.01.05]

今年初めてのブログとなります。今年もよろしくお願いします

患者さんから年賀状をいただきました。墨痕黒々達筆な年賀状を見て最初に思ったのは

「ソフトは筆まめ?こんなフォントがあるんだ」「いい発色のプリンタだな」でした。

その直後に「ああ、手書きの文字なんだ、立派だなぁ」と通常の認識能が動き始めました。一瞬の感覚でしたが、私の認識が「人工的につくられた物」としてこの文字を認識したことがショックでした。

年賀状の思い出といえば、父が筆ペンを使って一通一通手書きで(時に失敗して母に怒られながら)書いていた記憶があります。今から思えば「贈り物」の感覚に近い時間の使い方かもしれません。私の世代以降では、すでにプリンタで印刷したものが「当たり前」になってしまいました。

紅白でも演歌からポップスがメインになったように、時代の移り変わりといえばそれまでですが、忙しい年末に手書きの年賀状を書くことはすでに「タイパ」が悪く「贅沢」な出来事になってしまったのかもしれません。

「郵便で年賀状を送る」習慣自体が消えそうです。人工物に囲まれ、検査データや画像情報があふれようとも、患者さんの顔を見て表情や顔色を読み取る、手書き文字から患者さんの状態もきちんと認識できるような医師にならなければならないなぁ。いただいた年賀状からそんな学びを得た新年です。

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