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インフルエンザワクチンには重症化を防ぐ効果もある、と強く訴えたい話

[2019.12.02]

救急病院に勤務していたころですが、インフルエンザ脳症にかかったお子さんを診察したことがあります。

脳は、通常かなり強固に守られていますが、ある種のウイルスや人側の要因によってまれに脳までウイルスが届いてしまうことがあります。このお子さんも懸命の治療で命はとりとめましたが、けいれんや意識障害といった重度の後遺症を残しての退院となりました。そして、このお子さんはワクチンは打っておらず、病気のことを学ばれたお母様は、それをとても後悔しておられました。

外来でインフルエンザワクチンをおすすめしていても、「打ったのにインフルエンザに罹ったことがあるので、意味がない」といった反応をよくお聞きします。ウイルスが侵入しても「発症しない」、「発症しても軽い症状で済む」ことが効果と言われますが、同じ意味として「命が助かる」「後遺症がでない段階で治る」効果を知っていただきたいと思います。これは、(接する機会が圧倒的に少ないので患者さん自身の実感は乏しいはずですが)救急医療に関わる医師や看護師はよく知っている「事実」です。

厚労省が「流行期に入った」と宣言し、ワクチンも最終入荷となる時期となってしまいました。ですが、まだ受けられていない、特に学童期以前のお子さんについては、初回接種のみでも、ぜひ受けていただきたい。そう強く思っています。

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