高齢者ほどマイナンバーカード保険証が有効
マイナンバーカードの保険証利用制度が始まりました。また使用してる人は少数ですが、高齢者ほど実はそのメリットがあると思われるので記載します。
いままで遠方の医療機関に通っていたが、様々な理由(高齢になり行くのが大変、子供と同居で転居など)で近くのかかりつけ医希望として当院に来られることがあります。紹介状をお持ちであることはまれで、患者さん自身が病名をご存じでない時もあります。私は身体診察や服薬内容、採血データなどから病名を推測し、必要に応じて処方を継続や追加します。血栓防止剤や免疫抑制剤など特殊な薬を使ってる場合はこちらから問い合わせ状を送ることもありますが、そうした場合、即日での対応はできないことになります。
マイナンバーカード保険証を使うと、この服薬内容や採血データ(検診内容のみ)を直ちに電子カルテに取り込み、参照できるようになっています。かかりつけ医を変更する必要のある高齢者、内容を忘れてしまう認知症の患者さんなどにとっては大きなメリットだと思います。地方から親を呼び寄せる、施設に入るなどで主治医交代が起きやすい高齢者、役所もいろいろ考え、お子さん世代の方が親の保険証をマイナンバーカードに切り替えてもらうことを想定しているのでしょう。
これは医師が勝手にはできず患者さん側で承認が必要です。マイナンバーカード保険証での初回受付時に、「検診データ、薬剤情報を共有するか?」の画面で「承認」を押していただく必要があります。採血データは検診項目(肝機能、腎機能など一般的な指標)のみで、腫瘍マーカー等の特殊検査は反映されないとのことです。
マイナポイントの「お得感」だけでなく、こうした受益者メリットについてももう少し丁寧にアピールすれば、普及が進むのではないかと思います。