開院4年目をむかえて
開院から4年目を迎えることができました。これからも地域に根差した医療を提供してまいりたいと思います。
パラリンピックより戦争の報道が日に日に大きくなり、自分に何ができるのか?自分の仕事がどんな意味を持っているのか?恥ずかしながらそんなことを考えてしまいます。
聖路加看護大学の日野原重明先生は医学教育でも有名な方ですが、「医師の使命は」と問われ、即座に「そりゃ戦争を起こさせないようにすることだ」とおっしゃったそうです。この大きなテーマに対して、自分は何ができるのか?そう感じざるを得ません。ミサイルで被害を受ける子供たちの映像を見ながら出勤していると、はたして、目の前の患者さんが、血圧や血糖をわずかに下げる薬を飲む、推奨することに、何の意味があるのだろうか?「生き死にの現場」との落差が大きく、目の前の通常外来の「意味」が分からなくなってくることがあります。
ですが、徐々に、見えてくる景色も変わってきました。
空爆も受けずに、血圧や血糖がわずかに上がった下がったことを心配できることが「いかに幸せ」なのか、飛んでくるミサイルにおびえることなく、自分の数年先の健康のために薬を飲む、予防のワクチンを打つ、多くの薬から自分に合ったものを選ぶことができ、病気の予防できる、国民全員が医療保険に入れる国で、お金の心配をしないで高度な医療を受けられることができる。これが、どれほど運がいいことなのか? 反語的ですが、ウクライナの報道を通じ、いままで当たり前で気づかなかったこと、外来診療の「意味」に気づくことができるようになりました。
これからも生かされている命を大切にし、自分の使命を自覚しながら、地域の健康を守っていきたいとの想いで4年目を迎えています。