開院前日に思い出す友人の話です
明日より星野ファミリークリニック、オープンとなります。ここまで来られたのも、家族や両親、医師として私を育ててくれた指導医・同僚、そして、多くの事を教えてくれた患者さんのおかげです。
実は、私は医院開業など「絶対やりたくない」と思っていました。私には浪人時代を一緒に過ごした予備校仲間がいるのですが、彼は医師になって40歳代で開業し、その3年後に脳出血で倒れてしまいます。「医院開業とはそれほどのストレスなのか!」同年代の親しい友人が倒れたショックと、彼を哀れに思う気持ちから、自分は絶対に開業すまい。そう決心させる出来事でした。(現在彼は不自由な体ですが、奥さんやお子さんたちと暮らしています。)
私はその後、組織の異動で、新宿区大久保で診療所所長に任じられ、「家庭医」の考え方に出会いました。日々、目の前に通ってくる多くの患者さんを診療し、お話を聞くにつけ、私の心もだんだんと変わってきました。仕事ができなくなるまで、できるだけ付き合い続けていきたい。大久保の患者さんを通じて、そんな経験をさせていただきました。かたくなな気持ちも変わり、そして、気が付けば開業準備をすすめていました。
倒れた友人も、多分こんな気持ちで開業をしたのだろうと、今は感じています。哀れに思った自分を恥じ、彼も私の門出をきっと喜んでくれていると感じながら、明日の開業を迎えようと思います。
どうか、よろしくおねがいいたします