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診断をどこまで任せるか?

[2022.12.21]

ワールドカップはアルゼンチンの勝利で終わりました。日本の「奇跡のゴール」も印象的なシーンの一つでしたが、今大会からつかわれた電子判定装置の威力を感じさせられました。

「ルールの決まっているスポーツ」にこうした電子判定装置が使われるのはいいことだと思います。人の感覚ではどうしても精度が悪くなりますし、審判の所属国によって判定の内容に疑問がつくようになってはいけません。センサーや画像処理能力の向上によってマイクロ秒単位で人やボールの3次元的な位置が判定できる電子審判が、今後の主流になると思われますし、その判断が人の判断を上回ることもあり得ます。

翻って、わが業界の医療でも、主に画像診断でAIが使われるようになってきました。病院勤務時代には月に数千枚の胸部レントゲン写真を読んでいましたが、その作業は日中の仕事が終わった夜間や深夜に行っていました。当時はAIサポートはありませんでしたが、機械は目の疲れや集中力の低下もないため、常に同じ精度で判定をしてくれるのでしょう。その判断は人間の有力なサポートになると思われます。

反面、ルールの決まっているスポーツと違い、医療現場は命を預かり、重大な「責任」を伴います。感度が悪ければ見逃しになり、感度が高すぎれば過剰診断で役に立たない判断となります。ミリ単位ですらルールを厳格に守るスポーツ現場と違い、状況によって判断が分かれる医療現場ではまだまだ「人」の判断が必要です。

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