「診断が間違っている」ことを願う医師の話
[2022.09.26]
症状や検査などから必要と思われる場合は、病院の専門外来に紹介します。専門医の意見を尋ねることが多いのですが、返信は、たいてい現状の治療を継続の指示(今の治療のままで差し支えない)、時に新しいガイドラインでの新薬使用を紹介されたりなどで、緊急性を伴う病態をクリニックで経験することはあまりありません。
しかし、まれに、直ちに診断をつけないと急に悪化するような病気、経過観察では後遺症を残すような病態が鑑別に上がることがあり、その際には紹介状だけではなく、病院の先生にも直接連絡を取り、なるべく早く受け入れを依頼することがあります。
病院からは診断結果、治療経過など返信をいただけます。いただけない場合はこちらから問い合わせをすることもあり、自分の診断があっていたか、間違っていたかを知ることができます。
正直に言えば、若いころは、「疾患鑑別ができた」「診断が当たった」ことが自分の自信にもつながっていました。しかし、それはまだまだ自分本位で、未熟だった時期の話です。病気の経験を積むにつれ、また、病院からクリニックに診療の場が移るにつれ、いまでは、「この病気でなければいいなぁ」とおもいながら紹介状を書くようになりました。