学ぶことの重要性
所属する呼吸器学会がオンラインで開催され、基調講演を自宅で聞くことができました。
〇先進国の寿命は順調に伸びているが、ここ数年米国の平均寿命が短くなっている、様々な原因が分析されたが、社会的格差が大きい州ほど、死亡率が上がっていることが分かった。(社会的孤立と貧困が寿命に影響している)
〇英国では「孤独対策大臣」が任命され、社会的孤立の対策が立てられている
〇日本の研究でも、デイケアなど社会的つながりが強い地域・人ほど、介護度が低いことが証明された。同じことを処方薬で行うことは難しい
〇社会的処方:地域で役割を持ち、体を動かす、食事や生活の見守りといった(医療以外の)対策が有効であり、暮らしやすい地域であることが、結局健康で長生きできる地域となる
といった内容でした。(千葉大学 社会予防医学 近藤克則先生)
日々悲惨な報道が続き、知らず知らずのうちにやる気がむしばまれていたのかもしれません。ですが、社会疫学者の講演を聞いて、だんだん元気が出てきました。学会講演でしたので、「大病院の先生方」が対象でしたが、病院にも行くことがためらわれる地域の孤立した人に対してこそ、私のような街医者が役に立てるのではないか?そう思わせてくれる講演でした。
どんな時でも学ぶこと、自分が元気になるために「知らないことを知る努力」をすること。テストに追われた学生時代には感じたことがなかった経験でした。