うれしかった一言
「薬がなくなっちゃって、何とか間に合わせようとしてきたんだ。時間ギリギリにごめんね先生」
Nさんが来院されました。すでに5時からのワクチン接種の方が始まっていたので、30分ほど待っていただき、ワクチンが終わってから診療をしました。腕のいい職人さんなので、いつも忙しいことは知っています。そんな中でも、なんとか時間内に来る努力をされていることが感じられました。
お会いしたころのNさんは、自分の体に自信があって、タバコも吸って、薬は二の次、医者はうるさいだけで、けんか別ればかり。そんな風に見えました。私見ですが、「腕のいい」職人さんにはこうした医師患者関係が多いように感じています。初診から、血圧管理やタバコの事、仕事を長く続けたいことなどもお聞きし、徐々に、塩分を減らして服薬を守れば体調がよくなっていくことなどを自覚されたようでした。
以前は発作もあり、前のような生活をしていたら、きっと倒れていたはずです。来院を機に、体調や服薬を最優先に考えるような生活にかわってくれました。何気ないことばでしたが、あのNさんがここまで変わってくれたんだ。私にとっては、とてもうれしく思えた一言でした。
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患者さんのプライバシーを考慮し、出来事を変更して書いています。