今こそ「弱者」へのまなざしが必要
年が明け、「自分は感染していない」「感染しているか否かはたいしたことではない」と主張する人が明らかに増えました。
第8波となり、朝から電話が鳴りやまない日が続いています。また、コロナ関連の死者は7波を超えました。一方で、政府は行動制限のない生活を認め、旅行支援も再開されました。生活様式が「普通」に戻るにつれ、コロナ感染が「たいしたことではない」との認識に代わってきているのは、自然なことかもしれません。
飲食や宿泊、レジャー業界では、基本的に元気で動ける方が対象ですので、そうした感覚が戻ることは好ましいのでしょう。しかし、わが医療業界、介護福祉業界では、やはり「高齢者」「健康不安のある方」が対象となります。病院受診時にはマスクをつける、濃厚接触者であれば受診をしない、少しでも自覚症状がある場合は受診を控えるといった配慮が必要です。
家族内で陽性者が出ても、自分には自覚症状はないから一般診療に入れないのはおかしい。この咳は喘息に間違いないので発熱外来対応はおかしい。受付や電話で主張する人がいます。「健康な人」を対象とする集団で行ってほしいと思います。
当院は医療機関ですので、感染可能性がある方、症状のある方はあくまで「有症状者」として対処します。自分とは立場の違う「弱者」への想像力が求められているように思えてなりません。