ワクチンの効果は実感しにくい
ある日、小さいお子さんを連れた女性の方から、「子宮頸癌の疑い」があるといわれているのだが?と相談を受けました。まだ小学校に上がる前のちいさなお子さんの手を握りながら「癌の疑い」と言われることがどれほどつらいことか?お母さんの表情からそんな気持ちが感じられました。
頸がんの診断には細胞を取る検査が必要である事、表面の細胞が「癌疑い」であってもそのまま「癌と確定」するわけではない事などをお話しし、婦人科での精密検査をきちんと受けるようにお話をしました。
子宮頸癌ワクチンを受けに中学3年生から上は大学生・社会人の女性が来院されています。彼女たちには、接種しても元気でいる姿を見てもらうことが大事であることや、仲間内でワクチンを話題にしてほしい事などを伝えています。実際、日本人の研究で、子宮頸がんワクチンによる健康被害は科学的に否定されています。
病気にならないために打つワクチン。病気にならなかったことがワクチンの効果なのか、たまたまならなかっただけなのか、個人にはわかりません。ですが、かかった時のリスクやその時の感情的な負荷を考えれば、「病気にならない確率を上げる」ことはじつはとても重要なことなのです。
ワクチン接種をためらうお子さんやそのお母さんには、私の経験したこのお母さんのことも今度からお伝えしなければ、そうおもえた経験でした。