【24年度版】コロナワクチンについて その2
医療とお金のことはあまり話題としてそぐわないのですが、今回は業界の構造を知っておいてほしいと思って書きます。
今まで無料だったコロナワクチン、卸さんからお聞きした価格が高くて驚きました。当院への納入価格は一人当たり1万円以上します。これに手技料、シリンジ代、保管にかかる料金などを加え、当院での自費料金を設定しています。
この費用、すべて医療機関がひとまず払います。高齢者は自己負担2500円で打てますが、市からワクチン接種費用が支払われるのは2か月後になります。その間、医療機関は次のワクチンも発注しなければなりません。医療機関にとってコロナワクチン接種は「お金の準備が必要」な事業になっています。(子宮頸がんワクチンはもっとお高いです・・・)
さて、明治ファルマ社のレプリコンワクチン(商品名:コスタイベ)。少量で効果が出る設計になっているため、1瓶(バイアル)に16人分のワクチンが入っているそうです。医薬の値段が他と比べて大きく変わるとは考えにくく、1瓶の注文でそれなりの金額を支払うことになりそうです。少量で有効は集団接種用としては非常に有用だと思いますが、今となっては16人分一瓶は開業医にとってはちょっと使いづらい。これが本音です。
ワクチン納入はどの医療機関でも同じです。コロナワクチンと子宮頸がんワクチンは値段が特に違います。また、コロナワクチンは今まで無料であっただけに、キャンセルへの抵抗が少ないように感じられます。当院でも高齢者の方を優先として予約を取っていますが、どうかキャンセルは無いように予約をお願いしたいと思います。これはすべての医療機関が思っていることです。